歯科治療 テクニック
2016年4月11日 [月] 12:15|
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こんにちは、歯科助手の森田です。
暖かくなって来たと思えばまた寒くなったりと、気温の変化が激しいこの頃ですが皆さまいかがお過ごしでしょうか。
先週まで桜色をしていた、受付からみえる例の木を、ふと見たらもう緑になっていました。桜の季節はあっという間でしたね・・・
私は、先週から風邪を引いておりまして、普段健康であることは本当にありがたいことなのだと身に染みました。当たり前だから普段は気にも留めませんが、失って気づく大切さは歯も同じです。
歯の健康を守るのに一番簡単に、すぐにでもできることがあります。とても重要です。それはプラークを除去することです。
プラークは歯ブラシで、自分で取り除くことができます!
プラークが蓄積してできた歯石は、歯科医院でしか除去できません!
プラークは細菌の塊です。顕微鏡で見るとたくさんの菌がうじゃうじゃと動いています。新しいプラークは24時間で形成します。ということは、その日にできたプラークはその日のうちに除去できれば蓄積せず、継続すれば歯肉炎や歯周病を防ぐことが出来ます。
簡単だけどそれが大事なのだということに気づかず怠ってしまう方が多いですが、歯を失ってから、おいしいものをおいしいと当たり前に感じることができた日々がすごくありがたい事だったのだと気づくと思います。
正しい歯磨きの仕方は、歯科医院で歯科衛生士が指導します。
歯と歯肉の境目に歯ブラシの毛先が当たっていますか?小刻みに歯ブラシを動かしていますか?歯ブラシは毎食後にするのが良いですが、細菌は寝ている間に活発化するので、夜の歯磨きを丁寧に時間をかけてするのがベストです!(^^)!
2016年3月30日 [水] 12:18|
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こんにちは、歯科助手の森田です。
クリニック前の南桜公園の桜が綺麗に咲きました(^^)
この桜の木は受付に座って外を眺めるとちょうど入口のドア越しに見えるのですが、夏は緑の葉が風に揺れていて秋は紅葉が綺麗です。いつもこの木を見て季節の変化を感じています。満開もいいですが桜が散るのも楽しみです。
最近、歯科衛生士学校の授業で学んだMFTを毎日実践しています。
MFTとは、口の周りの筋肉(舌、口唇、顔面の筋肉)を強くしてバランスをよくし、歯列への圧力を整え、正しく機能させるための訓練です。
舌癖や口周りの筋肉のバランスの悪さが、不正咬合や口腔機能障害、顔貌や表情などに影響します。
矯正をしなくても、MFTを行うことである程度不正咬合が改善することもあります。私は授業で見たMFTの訓練前と訓練後の症例の写真をみて、その差にびっくりしました。単なる「お口の体操」ではありません。機能面でも美容面でも効果的なトレーニングだと思い、患者様に指導する立場になる前に自分で試してみることにしました。口角が下がり気味なので、MFTによって変化することを楽しみに毎日続けてます。
こんな方におススメです!
・安静時、舌が上顎についていない
・口呼吸のある人、お口がいつもあいている人
・唇・舌を噛む癖がある人
・舌の癖が強い人
MFTにより口唇を閉じて上手に咀嚼する習慣がつくと、唾液の分泌も促進されプラークの付着も減るので虫歯防止にもつながります。歯科医院での指導を受け継続して頂くのが一番ですが、ネットや本で調べても詳しくのっているので是非試してみて下さい(^^♪
2016年3月15日 [火] 09:50|
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SDA
shortened dental archの略で、訳は短縮歯列咬合。
大臼歯などが失われても、医学的に不都合が無ければそのままで良いと言う考え方です。(不満がないとは違います。)
日本における歴史は浅いのですが、欧州では1980年代から研究されている様です。
歯が無くなったらなんでもかんでもインプラント?馬鹿みたいですね。効果的な症例に用いるべきです。
少なくとも日本の歯科治療の水準は高いので、時間を掛けて治療を行う事で助かる歯はもう少し多くあるはずです。歯科医師、患者、ともに手間暇をもう少し費やす事に消極的な様な印象が有ります。
残ってる歯の歯周病や根尖病変の評価を行い、Ehicnerの分類などで加重の評価を行い、補綴が必要かどうか考えます。この場合噛み合わせの評価は重要で、また、咬合支持する歯の神経が残っているかどうかも重要です。
経過観察させてもらえる方なのかどうか。これも大事です。歯の本数が少ない状態ですから、トラブルの兆候は見逃す訳にはいきません。一本失うだけで全てのバランスが失われる場合も有るかもしれません。
また、歯周病の管理は不可欠です。少ない本数でグラグラしたらダメですよね。咬めません。
SDAから離れるかも知れませんが、歯が無くても長生きされている方も沢山いらっしゃいます。勿論歯が沢山残っているほうが良いですが。
それぞれの価値観にも左右されるでしょう。
SDAによるデメリットも考えた上で選択しなければならないでしょう
ただ、失った歯を補綴しなければならないという呪縛から逃れてもいい場合が有る、という事を再考すべきと思います。
2015年12月2日 [水] 17:12|
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こんにちは、歯科助手の森田です。
寒い季節になってまいりましたが、街ではイルミネーションが綺麗ですね。
特に丸の内のイルミネーションが好きで毎年楽しみにしています。
今年も残りあと一カ月となります。三年間は長いと覚悟して入学した学校もあとほぼ一年です.
先日、友人からどのような歯ブラシを選んだら良いか質問されたのですが、ふいに質問されると教科書通りにはこたえられるものの、説明したあとに不安になったので医院の参考書をお借りして再確認しました。
歯肉の状態や口腔内によって適切な歯ブラシは違ってくるのですが、
基本は、歯ブラシのサイズ:ショートヘッド
(毛先は丸めた合成材料による毛がより効果的であると研究により示されています。ショートヘッドは毛束が少なくあらゆる部位に簡単に届くので、プラーク除去効果が高いそうです。鋭利な毛先の歯ブラシは歯肉に摩擦効果を与えやすいので、丸みのある毛先のほうが良いそうです。)
歯ブラシの交換時期:毛先が広がってきたら。広がっていなくても2カ月半~3カ月使ったら交換
(基本は形が崩れて艶がなくなったら交換ですが、歯ブラシが変形していなくても、毛先の形態の変化が生じてプラーク除去効果が減少するので、2カ月半~3カ月ごとに交換するのが良いそうです。)
(参考書:有限会社 エルバ プロフェッショナルマニュアル 歯科衛生士臨床のすべて)
ブラッシング圧や時間と頻度により個人差はありますが、歯ブラシはただ開いてきたら交換すればいいわけじゃないんです!うっかり半年くらい使ってしまっていたらすぐに交換しましょう。
私は今日から臨床実習が始まり、夜間の授業の代わりに歯科医院で実際の治療や歯科衛生士の仕事を学びます。
簡単なことでも納得のいくように説明するためには根拠のある知識が大切だと思いますので、基礎を忘れずに実習で正しい知識や技術を身に付けてこようと思います。
2015年10月13日 [火] 09:35|
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ホエールズの遠藤じゃありません(古すぎ?)。 endo。エンド。歯内療法の事です。え~と、根管治療もこれに含まれます。 歯の神経を取ったり、感染した歯の消毒をしたり。根の先っちょにできた膿の袋の治療なども行います。また、病気になった神経を残したり、割れた歯の治療(少々特別ですが)なんかもこの中に含まれます。
さて、今回は、、、
歯は噛むために使う組織です。噛む為には歯を支える組織がしっかりしていないとグラグラしたり、痛かったりして使えません。歯の周りが悪くなる病気の代表格が歯周炎です。 歯周炎によって歯を支える組織が破壊されると噛めなくなり、酷くなると抜歯が必要になったりします。
歯周炎には概ね2種類あります。
一つは辺縁性歯周炎。歯槽膿漏です。有名です。
もう一つが根尖性歯周炎。よく歯根嚢胞と呼ばれています。(正確には違うんですが。)
歯内療法で扱う歯周炎は大抵後者の根尖性歯周炎です。この原因は根の中の神経管に入り込んだ細菌です。細菌が多くなると神経管の出口(概ね根の先っちょ)から周囲の骨に感染病変を作ることで、根の先っちょに膿が溜まったりする歯周炎が出来ちゃいます。
治し方の理屈は簡単です。根の中の細菌を無くしてやるだけ。これだけで大抵治ります。しかし、実際に根の中の細菌を無くす。これが結構大変です。
根の中に入り込む細菌は、元々お口の中にいる細菌が殆どです。
これを除菌するので、大切なのはまずブラッシング。
A、しっかり歯磨きしてお口の中の細菌を減らします。
B、根の治療ですが、まず根にある虫歯(細菌の温床)を綺麗に取り除きます。
C、根の中を上から下に向かって消毒していきます。
この3項目が一つでも欠けるとうまくいきません。
Aの歯磨きですが、お口の中で細菌が一番多いのはプラーク(歯垢)に代表されるバクテリアのコロニーです。これは歯の周囲に大量にまとわりつきますから、ブラッシングで常にきれいにして頂く必要が有ります。プラークだらけのお口の中で治療するのは泥だらけのまな板でお刺身をさばくようなものです。そんなお刺身食べませんよね。お口全体での治療環境づくりです。
Bの虫歯ですが、患者さんが感じる虫歯の穴では無く、軟化象牙質の事です。お口の中のプラークに次いで根の入り口にできる虫歯(軟化象牙質)が細菌を多く持っています。これを取り除かない事には細菌の供給源が無くならないのです。
Cの根の中の消毒は実際の治療で一番時間が掛かるところです。A,B,と違い、細菌の住処が目に見えません。根の中は細く複雑です。消毒薬や超音波洗浄などで除菌していきます。根の中は1、2よりも細菌量が少ないのですが、取り除きづらいと言えます。
実際の治療の術式ですが、
1、麻酔
2、防湿
3、根管治療
4、仮封
となります。これは神経を取る場合も根尖性歯周炎の治療の場合も同じです。
1、麻酔ですが、これは必要ない場合も有ります。術者側とすると大抵の場合行った方がやり易いです。(やり易ければ治療作業の進捗も早いです。)
2、防湿。色々方法は有りますが、ラバーダム防湿法がよく利用されます。術野を徹底的に消毒し易い、薬液から粘膜を守り易い、落下物の防止、唾液侵入防止、術野の明示、ミラーが呼気で曇らない、等の理由で利点が多いです。単に唾液(大量の細菌)が入らないという事であれば他の方法でも可能な場合が有りますが、ラバーダムを行うとそれ以外のメリットが多いです。デメリットとしてはクランプ(留めがね)が痛い(麻酔すれば大丈夫)、追加麻酔がやりづらい、うがいがやりづらい、時間が掛かる、歯が少ないとラバーダムが飛ぶ。などが挙げられますので患者さんと御相談の上ケースバイケースで行っていきますが術者としては行いたい処です。
3、根管治療には三つのステップがあります。
①、根管拡大。虫歯を取り除いたり、神経や異物を取り除いたりしながら、根の中を消毒できるように形成します。消毒できなければ除菌が出来ません。消毒できるように根の中を形成してなければ消毒そのものが出来ませんので、根の中の治療環境づくりといった位置づけです。
②、根管洗浄。根の中を消毒します。除菌ですね。主に次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイターみたいなもの)で細菌を殺して洗い流します。超音波洗浄も併用しないと隅々まで消毒薬が行き渡りません。他にも薬剤は使用しますが、次亜塩素酸ナトリウムの作用を助ける為に使用するものが殆どですね。神経のカスなんかも溶解して洗い流せます。
③、根管充填。綺麗になった根の中に再び細菌が入り込まない様に栓をする事です。天然ゴムとシーラーと言うセメントが使用されます。天然ゴムはいったん細菌が付着するとコロニー形成し易いのが分かっていますので、近年はポートランドセメント(MTAセメント)が単独使用されることが増えています(海外での話)。MTAは細菌に強く、生体親和性も高いとされていますが保険診療での使用が認められていませんので、保険外診療になります。まあ天然ゴムでも汚くしなければ良いって話なのですが。
4、仮封。治療中の蓋です。これ結構重要です。(大事じゃない物はないんですが、)蓋が取れると唾液が大量に根の中に入ります。細菌も一緒にドバッと入っちゃいます。蓋が取れる事がそのまま歯内療法の失敗に繋がるのでは無いのですが(事故的に取れる事も有りますからね)、プラークコントロールの悪い患者さんの場合はリスキーな状態と言えます。治療と治療の間に細菌が中に入り込まない様にする為に、がっちり外れないような蓋が必要です。
他には外科的歯内療法なども有りますが、基本は根の中の細菌を可及的に取り除く事です。それで予後が悪い場合や、元々適応と思われる場合は外科ですね。
根管治療が終了後、歯そのものの修復(詰め物やクラウン)を行います。修復がダメ(隙間が有ったり)すると細菌の侵入経路になりますから、ガッチリ作んなきゃいけません。
まあとにかく細かい作業なんで、患者さんには分かりずらい処かもしれませんが、根管治療がまずいと後でしっぺ返しが来ますから、何言われてもキッチリ仕上げないといけないところですね。
長々と書きましたが、たまには真面目な記事もないとホントに歯医者のブログなのかいなってなりそうなので、、、医院では日常の事なので、変わった事書きたいんですが、あんまり無いんですよね。
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