きちんとした診断をしてもらいたい。しっかりと治療の説明を聞きたい。

野澤歯科医院で最も大事にしていることです。

正確に診断し、その結果を患者さんにお話しします。

直ぐに分かるものもあれば、診断に時間がかかるものもあります。

全ての病状を5分で診断することは出来ません。

(例えば歯周病の検査など)↓

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虫歯が隠れた場所に有ったり、歯ぐきが下がっていないのに歯周病だったり、丁寧に所見を拾っていく事で、現在のストレスの原因が見つかります。

過去に痛みがあり、現在は痛く無い歯でも、病気を抱えてしまっている場合は多々あります。

取り敢えず応急処置で痛く無くなった。痛く無いので治療をせずに様子を見ることにした。

良くある話ですが、正確に病状を把握できていないとただ放置しているだけで、病気は悪化してしまうことが良くあります。

小さな徴候でも大きな病気の原因かもしれません。

「右下の歯ぐきに何か違和感があるんだけど、虫歯は無いし、歯周病でもないと言われた。」

よくよく調べてみると、顎骨内腫瘍(公益社団法人口腔外科学会HP:http://www.jsoms.or.jp/public/kouku_geka/setumei_ryosei.html)の疑いがあり、直ぐに病院歯科と連携を取り精密検査、結果的に大型の良性腫瘍でした。頻度は低いのですが、そんなこともありました。(2014年に2例)

普段の生活にストレスが無い、痛く無ければ病気では無いという考えは間違っています。患者の皆さんにお考えいただきたいと思います。病気は必ず痛みを伴うものではありません。症状の潜伏期が有る病気の方がはるかに多いのです。虫歯や歯周病はその典型です。

「歯は痛く無いんだけど、入れ歯の調子が悪いんです。入れ歯を作りなおした方が良いですか?」

これも調べると、全体的に歯周病で、残っている全ての歯が少しぐらついていました。

部分入れ歯は歯に維持装置を引っ掛けて安定させますが、歯がみんなぐらついていれば入れ歯は不安定になります。

歯周病の治療を行うことで歯にぐらつきが止まり、自然と入れ歯も安定して使い易くなったそうです。

やはり正確に診断を行わないと、病気なのかどうか、治療が必要なのか判断出来ません。少なくとも医学的に不要な治療は行っては行けません。

やみくもに治療をするのではなく(原因を確かめずに入れ歯を作ったり)、何事にも原因が有りますので、まずそれを確認することが最も大切です。患者さんご自身のお考えもありますでしょうが(この歯が原因に違いない、早くしてくれ、など)、客観的な評価をすることで正しい治療方針を立てることが出来ます。治療方針が間違っていれば、どんなに早く治療介入しても時間の無駄になります。

 

上記の様にしっかりとした診断をもとに治療が必要かどうか、治療を行うのであればどのような方法が良いかを考えます。

 

また、病気だからと言って絶対に治療が必要だとは言えません。

例えば単純な口内炎や平滑面の小さな虫歯などで、経過観察していけば改善の可能性がある。この場合は治療をせずに済むかもしれません。

例えば平滑面の小さな虫歯に対して、シュガーコントロールとブラッシングを励行しながら経過観察をすることが出来るのは、何十年も前から質の高い論文で証明されています。虫歯には活動性のものと非活動性のものが有ります。活動性の虫歯は治療しなければなりませんが、非活動性の虫歯で小さいものは、虫歯のリスクコントロール(食事因子、細菌因子の改善を、フッ素の適用など)を行いながら経過観察出来ます。

非活動性の虫歯を不必要に削ることによって体の一部を少しずつ失うよりは、リスクコントロールを行い、虫歯のできた原因に対処すべきでしょう。

やみくもに削ってしまえばもとに戻りません。失われた歯に代用物(人間の造った物には寿命が有ります)を詰めるのではなく、今後虫歯にならない様な工夫が望ましいことではないでしょうか。

根拠の定かではない「削らずに治る治療」ではなく、根拠のしっかりした考えに基づいた診療(治療ではなく)を患者さんご自身と歯科医師が協力して情報を共有しながら行っていきます。

反対に、痛く無いから治療をしなくても良いのでは有りません。

歯周病、根尖性歯周炎、歯根嚢胞、エナメル上皮腫などで、経過観察しても確実に悪化し、体に悪い影響を確実に与える。この場合は痛く無くとも治療すべきでしょう。

(代表的なのは歯周病。自覚症状があった場合は既に重症化している場合が多く、大規模な治療になり易い)

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ただし、口腔内では様々な要素が複雑に絡み合っており、治療のデメリットも考慮したうえで判断しなければなりません。

お口の中のあらゆる状況を考慮した結果、治療を行うことで享受できるメリットがデメリットをはっきり上回る場合に、当院では治療を推奨します。

治療を行うかどうか、また、どの治療を選択するかは、最終的に一人一人の患者さんが判断することですが、我々野澤歯科医院のスタッフは専門家として、患者さんの状態を的確に把握した上で上記に基づいた助言を行い、患者さんがご自身にとって最善の判断ができるようサポートしていきます。