ひとくちに歯が無い、あるいは抜いた、と言っても様々な理由があります。
歯を失った理由によっては、隠れた問題点が浮かび上がってくるかも知れません。
歯の無いところを補綴するだけなら難しいことではありませんが、喪失した原因を改善した上で設計するのが自然な考え方です。
補綴方法は概ね4つの考え方があります。
入れ歯は設計の自由度が極めて大きい方法です。
しかし、どうしても設計上必要な部分もあります。
良くご相談させて頂いた上で基礎的な設計を決めます。
設計に合わせて製作し、装着して頂きます。
そこで充分機能すれば完成です。
調子の良し悪しに合わせて微調整をしていきます。
調子が悪ければ当然ですが、調子が良くても調整は必要です。
なぜならば他の方法と比較すると材料の老化が早いからです。
「ちょっと当たる感じがする。」
「少し緩んできた。」
すぐに調整しましょう。酷くなると時間がかかります。
「ばねが折れた。」
「ひびが入った。」
少々壊れた位なら直ります。
本来、入れ歯、特に総入れ歯はすべての歯を人工的に再現して機能させるという、極めて高度な技術を必要とします。
日本の歯科医師の入れ歯を製作する技術は世界有数でした。
安直にインプラントを選択する流行や保険診療の評価の低さによってその技術は先細りになって行くでしょう。
しかし作りこめばそれだけの物が出来上がってきます。
歯周病やデンタルインプラント、ブリッジの治療途中に暫間的に使用する場合もあります。
様々な短所はありますが、融通が効き易い方法です。
ブリッジは歯を失った場合、非常によく使われる手法です。
歯の無い場所の両側の歯を削って作ります。
症例にもよりますが、非常に機能的に美しく仕上げることができます。
メリット
デメリット
完全に固定式ですので、装着前には充分な歯の整備が必要です。
インプラントよりも簡単であると錯覚されておられる方が多いですが、要求される仕事の精度は同じです。
場合によってはインプラントより困難な場合が多々あります。
大きいブリッジでは精密な作業が多数必要とされる分だけ、より精度の確保に注力します。
精度の低いブリッジは歯の寿命を短くしてしまいます。
大臼歯が失われても、それより前の歯列が健全であれば喪失した部分の補綴を行なわなくても良いと言う考え方です。
歯の喪失した状況、理由、残存歯の健康状態や咬みあわせなど、他にも考慮すべき因子はありますが、無闇に何か入れれば良いと言う訳ではないと言うことです。
もちろんなんでもSDAで大丈夫というわけではありません。
慎重に経過観察しながら適応、不適応の判断が必要です。
主にヨーロッパ(オランダなど)で提唱されている考え方です。
なぜかアメリカではあまりテーマにはなっていません。
全ての症例で通用する訳ではありませんが、一考すべき論です。
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