新橋 野澤歯科医院 歯周病の予防

歯周病の予防

歯周病の予防の第一歩は、現状の正確な評価です。
歯周病は、自覚症状に乏しい病気であることから、本人の自覚がないままに症状が進んでいることも多々あり、予防を行う前に何らかの治療が必要である場合も多いからです。
ですので、まずは検査を行い、現在の歯周病の状態を把握します。

上記を踏まえ、歯周病の予防は以下のようなステップで行われます。

  1. 検査及び診断
  2. 治療が必要な場合は、まずは治療を行う
  3. 予防

ここからは、それぞれの段階について詳細な説明をしていきます。

1.検査及び診断

検査及び診断検査と言っても簡単なものです。
歯の周囲の歯周ポケットの深度を計測し同時に歯茎の出血、歯の動揺、歯垢の付着を記録します。
また、口腔内写真を撮影し粘膜を記録します。
(虫歯の治療でX線写真が必要なのと同様に、歯周病の治療や予防には歯茎状態の記録が必要です。X線写真に歯茎は写らないため、歯周病検査においては歯の一本一本について、上記の検査を行う必要があります。)
その検査結果から、歯周病の治療計画を立案します。いまだに検査をしないで歯石取りをしておられる方がいらっしゃいますが、日本は発展途上国でもあるまいし、と感じてしまいます。
簡単な検査とは言え多くの情報が得られます。
自覚症状がなくとも深刻な状態かも知れません。
ブラッシングの時の出血が酷い。
でも案外軽症で、ちょっとした事で改善が見込めるかも知れません。
医科では検査や客観的な指標をもとに診断、治療するのが普通です。
歯周病のような慢性疾患では検査記録を分析しながら治療するのが医学的に自然な考え方です。

予防、治療のふるい分け

検査の結果、軽傷、或は問題ない方は予防に移行します。
中等度、或は重症の方は、まずはしっかりと治療を行います。(⇒ 歯周病治療
治療の結果状態が安定したらSPT(Supportive Periodontal Therapy)と呼ばれる、安定期に行われる治療とも言うべきものへ移行します。中等度の病状や重症化してしまった場合、一旦状態が安定したとしても、今後症状が悪化する可能性が高い部分が残っており、すぐに予防へ移行するわけにはいかないためです。
(現在、歯周病において、メンテナンスと言う言葉は使用しません。それに代わるものとしてSPTとなります。)
SPTを行った結果、歯周病が治癒したと認められ、再発の可能性が低い状態まで移行した場合には、ここでようやく予防に移行することとなります。

2.予防

予防に取り組むのにあたり、最初に歯周病を引き起こす原因について確認しておきましょう。

リスクファクターの除去

歯の治療に関する歴史を紐解くと、ヒポクラテス(紀元前460~377年)は歯の表面から沈着物を除去する重要性を著書の中で述べています。
それから下ること約2000年、1746年、「歯を清潔にする事にほとんど意を介さない事が、歯を破壊に導くあらゆる疾病の通常的な原因である」と、当時の研究者から問題提起されています。
その後、歯に蓄積するプラークと歯茎の炎症は1965年に因果関係が実証されました。
1975年にはプラークの蓄積と周囲組織の破壊に因果関係が有ることが動物実験により確認されました。
同時に、進行した歯周炎は必ず歯茎の表面の炎症が先行して認められた事も確認されました。
これらの研究の結果、歯周病は、プラークが原因として引き起こされるものであるというのが現代における共通認識です。
従って、プラークの蓄積によって起こる病気ならば、プラークを効果的に除去し続ければ良いわけです。
これが、歯周病の予防を考える上での大原則と言えます。

では、プラークを効果的に除去するためには、どのようなことが必要とされるのでしょうか?
大雑把には、

  • プラークのたまりやすい場所を知ること
  • プラークのつき易い食品を知ること
  • プラークを除去する方法を知ること
  • プラークをつかなくする方法を知ること

などが挙げられます。
このような点に注意を払い、プラークが病気を起こさない程度に少なくしてやれば良いのです。そしてそれを継続していく。
これがプラークコントロールと言う言葉の意味です。

プラークコントロールは歯周病の治療と予防に最も大きな影響を及ぼす事がわかっていますので、この徹底が重要です。

プラークコントロールのための、最も簡単で安全な方法は適切なブラッシングです。

逆に言うと、ブラッシングが不充分な状態では予防も治療も効果が上がりません。
検査もしないで闇雲に、歯石を血だらけになって取ることを繰り返すのが予防や治療では有りません。
また、薬剤などに頼った治療は日本でしか行われていません。
歯科先進国である北欧や北米では、医療水準が高い医療機関であるほど日本の皆さんが意外に思われる位に基本に忠実な治療、管理を行っています。

病気の原因把握、原因除去。
これが予防と治療の最も大切なところです。

正確な検査によって、プラークの付着しているところを確認して頂き、それに対する対策として効果的なブラッシング方法をオーダーメイドで工夫していく。これが歯周病予防の基本的な流れです。

また、上記の基本的なもののほか、歯周病の予防をするにあたり考慮しなければならない要素は、実は他にも幾つかあります。
例えば、

  1. 歯茎の出血
    2~3割以上になると歯周病の進行が見られる。
  2. 4mm以上の歯周ポケット
    歯周病菌の活動性が高まる。
  3. 失われた歯の本数
    残っている歯が少なくなると、一本あたりの加重が増える。
  4. 年齢に応じた歯周組織の喪失
    骨が無くなってくると急速に進行し易い
  5. 全身状態
    糖尿病など、歯周病に関係する全身疾患は注意が必要
  6. 喫煙
    非常に影響がある。歯周病が極めて治りづらい。
  7. リコールシステムへのご理解
    定期的なSPT(Supportive Periodontal Therapy)を行っている患者群と行っていない患者群ではあらゆる統計で歯周病の罹患率に有意差が認められる。

などが挙げられますが、これらの他にも考慮すべき要素はあります。
しかし、重症の歯周病でなければ、プラークコントロールを獲得することが歯周病予防への一番の早道です。

では、そのプラークコントロールを獲得するにはどうしたら良いか。
プラークコントロールの獲得のための最も簡単で安全な方法は、やはり前述した適切なブラッシングを徹底すること、これに尽きます。
ブラッシング方法は基本的なやり方だけでなく、患者さん御一人づつにあわせた工夫が必要です。
技術的な部分は特に個人差が有りますのでここでは道具のご紹介をします。


1、ブラッシング

ブラッシングは技術も必要ですが、道具でフォローできる部分は結構あります。

1)歯ブラシ

歯ブラシハンドルは握りやすく、ヘッドサイズは大きすぎない物。
先端の丸いナイロン、またはポリエステル製。
ISO規格の軟毛。
後はご自身のお好みで選んでいただいて良いのですが、市場には非常に沢山の歯ブラシが有ります。
ある程度の目安は医院からお勧めします。
例えば、スウェーデン製のTepeと言う歯ブラシをお勧めしています。

2)ブラッシングの頻度

歯周病の予防の為に必要な一日に必要なブラッシングの回数は1回です。
以外に思われる方が多くいらっしゃると思います。
お口の中でプラークが出来上がるまでに24時間もかかる事がわかっています。
従って24時間に一回の適切なブラッシングで充分です。
しかし、適切にブラッシング出来ていなければ予防になりません。
回数では無くて一回の質が重要です。
その為のサポートを歯科医院のスタッフが行います。

2、歯間部の清掃

歯と歯の間を磨く事です。
ここは非常に汚れが溜まり易く、プラークも多く見られるところです。
歯ブラシだけで清掃しきるには難しいことが多く、歯ブラシ以外の道具が有効な場合が有ります。

1)デンタルフロス

デンタルフロス歯と歯の間が歯茎で完全に埋まっている場合に有効な道具です。
リール式の物は経済的です。
歯と歯の間に大きな隙間が有る場合、他の道具が必要です。


2)歯間ブラシ

歯間ブラシ歯と歯の間が開いている場合に効果的です。
様々なサイズが有りますが、細すぎるものは効果が有りません。ご自身に合うサイズを使います。
医院では市販されていないサイズの物をそろえてあります。
製品はスウェーデン製のTepeを使用しています。
芯棒に樹脂コーティングが施されており、歯茎に優しい製品です。また、他の製品よりも植毛部分が長いので、清掃効率が良いです。


3)シングルタフトブラシ

シングルタフトブラシ他の道具では簡単に清掃できない部分の為に使用します。
例えば一番奥歯の奥側、裏側、根の股の部分等に遊離です。


3、歯磨き剤

歯磨き剤歯磨き粉は特別な物でなくても良いです。
フッ素の配合されている製品は虫歯の予防には効果が有ります。しかし、歯周病の予防には効果を示しません。
医院には数種類の歯磨き剤を置いてありますが、それぞれはっきりした目的の製品です。目的に応じてご紹介します。



様々な道具が有りますが、目的はプラークコントロールです。
なれると案外簡単ですが、やる気のない人には無理かもしれません。
この他、医学的に評価した上で、個別にメニューを組み立てます。


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